ラジオボーイとM16ガール

超いいローテンションコメディ読切 #読切応援

ラジオボーイとM16ガール くさかべゆうへい
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

め~ちゃめちゃよかったっす! いつも録音した深夜ラジオを聴きながらニヤニヤしてるから学校で気味悪がられてる田舎住みのラジオ好き高校生男子が、道端でおじいさんを助けたことから孫の風変わりな女子との交際をお願いされ…。 低めの温度でツッコミをあまりしないスタイルがここ最近の流れかとは思いますが、この読切はその中でもすごく面白かったです。 傍から見たときの主人公の気味の悪さだったり、ちょっと嫌なあだ名、それを一切気にしないスタイル、変なことが起きても気にしない胆力、やりたいことをちゃんと追ってるコツコツ感、似たテンションかつもっと変な彼女、などなど、すべてがガッチリはまってて最高でした! ジトッとしてそうなキャラのわりに絵柄はさっぱりしていて読みやすく、 大ゴマが多いので細々小さなコマでギャグをやられるよりも噛み応えがあってとてもよかったです。 ページをめくるたびに何か起きているのが印象的で、分かりやすく計算されていますね。 連載で読みたい! サンデーは『いとやんごとなき』も面白いし、どんどんギャグ漫画強くなっていってほしい。 この方向性でまた読みたい。 と思ってたらとよ田みのる先生もそう言ってた https://twitter.com/poo1007/status/1361940158027681796?s=20 和山やま先生好きな方も好きそう。 近い部類ではあるけど、個人的には別物だと思います。

うしおととら外伝

『うしとら』の世界を広げる外伝集

うしおととら外伝 藤田和日郎
ANAGUMA
ANAGUMA

『うしおととら』の短編エピソードが収録された外伝集。読めばキャラクターの魅力と本編の味わいがいやますこと間違いなしです! 家族を殺された鏢が仙界で仙術を身につけるまでを描く「桃影抄〜符咒師・鏢」や、紫暮と須磨子のなれそめを描いた「里に降る雨」、クリスマス嫌いの少年とうしおの交流が泣ける「プレゼント」など、本編人物を掘り下げるエピソードはどれも粒ぞろい。 最終巻のあとに外伝を読むケースが多いと思うのですが、もう一度1巻からキャラの活躍を読み直したくなっちゃうものばかりです。 なかでもとらの過去を取り上げたものが一番多く、平安時代の陰陽師との戦いをめぐる「妖今昔物語」、源氏の女武将巴御前ととらが出会う「雷の舞」、とらを封印した侍の物語を描いた「永夜黎明」と、時系列はそれぞれバラバラですが、外伝オリジナルのキャラクターが出てくるのが楽しいです。 なかでも「永夜黎明」の最終ページはあまりに美しく、これのおかげで読み終わると1巻にすぐ手が伸びるようになってるんですよね…。 個人的な一番のお気に入りは「雷の舞」です。女だからという理由で義仲とともに戦場に立てず、戦の終わりを「待つ」ことを強いられている巴御前。そんななか、尼僧とともに山に潜む物の怪の群れを退治することになるのですが、そこにとらが現れます(この登場シーンが最高!)。 「乗りてえ風に遅れたヤツは間抜けってんだ。」ととらに発破をかけられた巴御前は「待つ」ことをやめ義仲とともに決死の戦場に赴くのですが、この凛々しさにシビレます。 うしおだけでなく、様々な人のあり方をとらは変え続けてきたんだなというのが、なんかいいんですよね。 また、この『外伝』のコミックスには収録されていないですがうしおととらのコンビが外国の魔道士と対決する「ECLIPS」も超絶かっこいいです。 『原画集 月と太陽』や文庫版、完全版などで読めますのでぜひ。

燃えるV

一応テニス漫画

燃えるV 島本和彦
マウナケア
マウナケア

なんとか、格好がつくくらいならテニスはできます。しかし体力の続く限りガンガン打ち込むだけなので、相手に「テニスをしてない」と言われる始末…。で、そんなときに思い出すのがこの作品。一応テニス漫画ですが、作者自ら「あの漫画はテニスなどいやっていない」といっている、そのまんまの内容です。生き別れた父と再会するため、勝ち続ける事を宿命づけられた主人公・狭間武偉。彼はルールも知らずにテニスを始め、インターハイ、そして4大大会で頂点を目指す。なんて書くのもばかばかしいほどで、実際にやっていることといえば、ダブルスを一人で戦ったり、ストリート・テニスなるもので日銭を稼いだり、あげく必殺技は相手の体を狙う技…。テニス漫画として読んではいけません。でも、テニスに格闘(熱血では無い)要素を取り入れて、笑いも涙も盛り込むなんて、凄いことだと思いません? 後の『逆境ナイン』や『無謀キャプテン』などより、テニスというスポーツを突き抜けているこちらのほうが全然いい。最近、作者のこの手の作品はないようなので、ライバル・赤十字の息子編とか描いてくれると、また燃えるんだけどなあ。

パーフェクト・ガール

まるでニチアサ!!美少女が心の世界で戦うファンタジー!

パーフェクト・ガール あおきいっぺい。
たか
たか

も〜〜これだからサンデーさんは最高…!!流石「可愛い女の子」と「ファンタジー」に定評がある週刊少年サンデーさんだけある…!!!魔王城でおやすみも水女神は今日も恋をするか?に並ぶ美少女×ファンタジーものです…! **んも〜〜まず扉絵が美しすぎる…!!** https://res.cloudinary.com/hstqcxa7w/image/fetch/c_fit,dpr_2.0,f_auto,fl_lossy,h_365,q_80,w_255/https://manba-storage-production.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/uploads/board/thumbnail/111406/f5c7ce5d-cce1-4ff8-827b-b504bcf435ea.jpg これもうサンデーじゃなくてCheese!ベツコミでも行けるでしょってくらい可愛い**(そんな素敵な絵が少年漫画雑誌に載ってるところがまたいい)**。 主人公・ゆりこはタイトル通り、容姿端麗で上品な振る舞いの生徒会長というパーフェクト・ガール。が、実は彼女の想い人は二次元キャラ「アポロン様」で**かなり強火のガチオタ**。ある日学校で、告白を断った男の子の近くをゆりこが通りかかると不思議な世界にいて…というあらすじ。 思いの強さが力になる「心の世界」では、その人の持つ「悩み(クレーシャ)」に思いが届けば元の世界に戻ることができるのだけど、**推しへの愛がめちゃくちゃ強いゆりこは、つまりめっちゃ強い!!!**シンプルな設定がまた素晴らしい。 そして**心の世界の案内人・ポッケちゃんか、かわ〜〜〜!!!** ゆりこがクールビューティーなら、ポッケちゃんは幼女(ロリ)かわいい!困ってるお顔が最高にキュート。 https://i.imgur.com/jDdpD2d.jpg (『パーフェクト・ガール』あおきいっぺい。第1話より) 心の世界での細川の描写が藤城清治とか劇団イヌカレーっぽくて(※メルヘンで可愛いのにホラーの意)すごく好きです。 **そしてこの見事な蹴り!!!もう完全にこれニチアサヒロインのそれですよ…!!**幼い頃から刷り込まれているので反射で愛してしまいます…強くて美しい女の子好き… https://i.imgur.com/DlwAgZF.jpg (『パーフェクト・ガール』あおきいっぺい。第1話より) 個人的に一番見てほしいのが、**1話に出てきた「心の世界」を描写した見開きです。最高すぎるのでぜひお金払って見てください…!!!** 魔王城でおやすみ第1話のカラー見開きや、ナルトが修行から戻ってきたときの木の葉の里の見開きのような迫力を感じました。 こちらはシリーズ連載とのことなので、ぜひその後は続編を連載してほしいです…!!編集部の皆様何卒…!! 【追記 2019/11/06】 すっかり5話構成だと思っていたのですが、4話で最終回でした。 好きな人の前で本気を出すのをためらうゆりこの姿が、「パーフェクトではない」ごく普通の女の子で新鮮でした。けどそこからのリカバリーの方法がとんでもなくて、笑えるわ格好いいわで流石だなと…。 アポロン様にしか興味がないゆりこは、巻き込まれてからずっとカラフルバスターズのみんなに塩だったので、きっと今回限りでスパッと活動を断るんだろうな〜と思っていました。なのでオチには本当に驚きました! **そりゃ本来一生逢うことが叶わないはずの相手に逢えたし、最強のゆりこが願えばこれからも会えるとわかっちゃったもんね…!!*" 個人的には、結びがちょっと急でゆりこの情緒が忙しく感じたので、できればあと1話ほしかったなと思います…! なのでぜひ連載化してたっぷり見せてもらいたいです!とても素敵なシリーズ連載でした…!