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憧れの怪奇作家・石田豪成の秘書として住み込みで働き始めた杏子。しかし、その家にはなにやら不気味な気配がする…。眠りに就いた杏子の首元に伸びてくる白い両手。それは血で描かれた襖絵の中から現れ出ていた……！ヒトガタを使って人々の心の深遠をとらえる人形作家・北村雨月が、死者たちの悲しみを救い出す――。

愛に、生きて、死のう――。村の鎮守の森の奥、菩薩様の住むという館に近づいてはいけない。万が一、その御姿を見てしまったら、たちまち鬼になってしまうと伝えられているのだ……。愛に熱し狂乱する女の悲しくもせつない姿を描く表題作「雪華菩薩」のほか、毒婦・阿部定をモデルにして、鮮烈な物語を描いた長編「紅蓮の月」を収録。

満開の桜の繚乱の花びらのもと、私は母が父を殺す光景をみた。そして思った。「これほど完璧な愛の姿は他にあるだろうか」――と。あの光景が忘れられないまま、今、私は――!?表題作「繚乱の庭」を含む、愛がもたらす深く美しい世界をテーマに、魔木子が選んだ作品を収録した傑作選。

夢魔――夜な夜な淫らな夢を見せ、眠りの世界を襲う悪魔。女性を襲う男性の夢魔をインキュバス。その逆に男性を襲う女性の夢魔をスキュバスという。ひとたび彼らと肌を重ねれば、たちまち悦楽の世界へと導かれ、人は精気を奪われる――!!表題作「夢魔」３部作と「ROOM」前編を収録。魔木子が贈るエキセントリック官能の決定版。

熱くせつない幻想的な愛の世界に狂い、まみれる男と女の姿――。美也は10歳になったばかりの頃、人買いに売られ故郷の寒村を後にした。そして彼女を待ち受けていた運命は想像を絶するものだった。陽も届かない部屋に閉じ込められ、昼なのか夜なのかもわからず、深い静寂の中で年月の流れを感じていた……そうして、性の生き人形としての私は完成したのです。怪奇・綺譚を詰め込んだ、魔木子が贈る究極の官能傑作集！

失業に失恋が重なり、残されたのは借金ばかり。よろよろと実家に帰っためぐみを待っていたのは、家族の冷たい視線。そんな日々に追いうちをかけるように、めぐみは会ったことのないおばあちゃんを見舞いに雪深い田舎を訪れることに。おばあちゃんのケガが治るまでの約束だったが、さまざまな出会いによってめぐみの心は変化して!?表題作「天使の足音」のほかに、大人気シリーズ「TAROT」第１話を収録。