野愛
野愛
2020/05/20
みんなが自分を否定しないで生きられますように
生きることは難儀だなあ。 読んだ直後なんとも言えない気持ちになって思わずTwitterで呟きました。 激しい被虐趣味を持つペス山ポピーさんが様々な男性とプレイ(というか殴られる)をしながら、自らの性的嗜好や性自認の根源にあるものと向き合っていくお話です。 イケメンにボコボコに殴られて恋してハッピー、なんて一筋縄ではいきません。 殴られたいという欲求に真摯に向き合ったことで、浮かび上がった性自認。殴られて恋をしたせいで、その性自認が再び自分の首を絞めることになる。 なんて生きづらい。 男と女の二種類しかいないのは何故なんだ、恋してセックスしてそれが当たり前だなんて傲慢だ。 人の数だけ性別があっていいし、性的嗜好があったっていい。それで人類が滅んだって別にいいじゃないか。 というのは極論なのかもしれません。 でも、みんなが苦しまないで生きられたら、自分を否定しないで生きられたらそれがいちばんいいことだと思います。 ペス山さんも自分を肯定して元気に過ごしててくれたらいいなあ。 生きることは難儀です。みんな生きてて偉いです。
六文銭
六文銭
2020/05/10
生死をかけた狩猟の現実と善悪を問う
3巻目になって、自分好みに面白くなってきた印象。 主人公はライターで、女性猟師チアキと一緒に狩猟現場の取材をするという話。 1巻は、狩猟の現実とか銃の扱いとかがメインだったが、2巻の最後チアキ(と、その姉)の過去の話からグッと奥行きがでて、3巻では、いわゆる違法行為を平然とするが狩りの腕は凄まじく良い師匠の話で、じわじわと自分好みに面白くなってきた。 こういうアウトローな強キャラが好きなんですよね。 なんで、出てくるとテンションあがります。 主人公たち(得てして正義、正論)とは違った独自の美学をもっていたり、キレものだったり、強さにブレがなかったりするので、謎のカッコよさがある。 主人公たちとは違う価値観で己の正しさを見せつけてくれるんです。 (るろ剣の斎藤一みたいな) そんな、チアキの師匠もすごい。 獲物がいないのに銃に弾を込めてる状態は違法なようですが、そんなものは無視。 山の中で、急に襲われて誰が守ってくれる?法律が守ってくれるのか? と言わんばかり。 確かに正論だ。 安全のために法があるはずだが、狩猟現場で安全はどっちなのか? 誰にとっての何の法なのか? 考えさせられるフレーズだ。 野生動物たちが相手の常識全く通用しない世界に、何でも利用すると豪語する師匠。 銃、車、知識、経験を使いこなし、手際よく効率的に狩りをこなす。 邪魔な法律は無視。 目的ために、手段を選ばない男。 どっちが正しいとか言えない。 結局、ルールを守っても、死んでしまえば意味がないからだ。 ライフルとか狩猟の現場が中心で、クマを撃つとか撃たないとかの話で終わるかと思ったが、こうした法の遵守的な善悪の話もでて、ストーリーに深みがましてきた。(これも現実といえば現実だが) 3巻最後が衝撃的で、師匠どうなるんだろう…。