吉田類の思い出酒場
2021年に放送1000回を達成した長寿番組「酒場放浪記」のマンガ版。番組を10年前からポツポツと観続けてますが、マンガ版の方も読んでみました。 テレビと違ってナレーションは無く、お客さんとの余計な絡みとかは無いですが、番組の雰囲気は残しつつ、マンガならではのテンポ感で酒場を次々と紹介していきます。 グルメ描写に定評のある「思い出食堂シリーズ」が手掛けているだけあって、お酒と料理は驚くほど細かい部分まで描かれています。紹介される店は、東京の下町の居酒屋が中心ですが、お店の歴史には郷土料理の存在があったりして、各地方の料理もたくさん登場します。ストーリー漫画ではないので、下町編、横丁編、路地裏編、人情編、どこから読んでも良いと思います。 ちなみに、吉田類先生は「飲兵衛の神(ゴッド)」と呼ばれているのをあらすじで知りましたのでタイトルに入れました笑。でも大げさでなく、この人に並び立つ存在は、確かに思い浮かばない気がします。 飲兵衛としての凄さは、 ・酒と肴に対する知識量と愛情が凄い ・還暦を超えても酒をよく飲み、食べ続けても平気な胃腸が凄い ・お店の人、常連客とのコミュニケーション能力が凄い ・一人で飲んでも画になるし、上品さがある といった部分にあると思います。 料理に合わせて華麗にお酒をチョイスしていく様を見ているだけでも心地良い作品です。 まぁマンガ版では良いところばかり描かれてますが、テレビだと後半になるほど酔っ払ってグダグダの雰囲気になる時が好きだったりします。 もし興味があれば番組の方も。 https://bs.tbs.co.jp/sakaba/outline/
宮沢賢治の食卓
宮沢賢治という人は『雨ニモマケズ』からも窺えるように、勤勉で生真面目でストイックである。 なんて印象を抱いている人にぜひ読んでほしい作品。 ハヤシライスや食パンやサイダーなどのハイカラな食べ物を無邪気に頬張る姿 農業実習の一環として、生徒たちと一緒にスイカ泥棒をする姿 小学校教師のヤスと秘められた恋愛をする姿 宮沢賢治は真面目一辺倒なお堅い人間ではなく、明るくて優しくて無邪気な太陽のような人間だったことが窺えます。 感受性が豊かで楽しむことに長けていたからこそ、数多くのすばらしい物語を生み出したんだなあと納得させられました。 宮沢賢治の作品の中で『土神と狐』『シグナルとシグナレス』の2つが最高傑作だと個人的に思っているのですが、賢治の切ない恋愛を知るとより胸に迫るものがあります。宮沢賢治の恋愛作品、悲しくて美しくて大好きなんです。 そして、これほどまでに宮沢賢治の存在を身近に感じられるのは魚乃目三太先生の力によるところが大きいです。 見たことのない景色やしたことのない経験を懐かしく親しみ深く描ける魚乃目三太先生だからこそ、可愛らしく愛おしい宮沢賢治を生み出せたのだと思います。 2人の天才がいたからこそ生まれた作品、ぜひ読んでみてほしいです。あと土神と狐も読んでほしい。