あらすじ
伝説的傑作、歴史的復刻! ビッグコミックオリジナルの話題の連載、村上もとか『フイチン再見!』の主人公のモデルとなったのが、長谷川町子と並ぶ「女性漫画家」の開拓者 上田としこ。まだ、漫画家という職業も、まして女性の漫画家などその存在すらなかった時代に、その道を切り開いた上田としこの代表作が『フイチンさん』である。作者の満州体験を下敷きに、ハルピン一の素封家の下で、門番の父親と暮らす天真爛漫な女の子フイチンのエネルギッシュな活躍を描いた本作は、1957年~1962年「少女クラブ」で連載され大人気となり、当時としては異例の長期連載となった。あの手塚治虫氏も、上田としこを高く評価し姉のように慕っていた。単行本は何度か刊行されたものの、いずれも未完で、刊行されてもアミが抜け落ちていたり、扉が欠けていたりと不完全なものだったが、今回、連載時の雑誌、各種単行本、また新たに発見されたカラー原稿などを付け、初めてほぼ完全な形で、復刻する。上巻には、カラー扉を多数収録、村上もとかの書き下ろしエッセイ収録。
あらすじ
ときに昭和20年――やけつく太陽が満州の原野をじりじりとこがしていた……。取り残された日本軍の小隊は、絶望の淵に立たされ、国へ帰ることを渇望していたが、国境に居残りを命じられ迫りくるロシアの戦車隊に踏み潰されるのを待つのみであった。特務機関の黒木が連隊長のもとへ向かうと、そこには無残にいたぶられ捨てられた一人の女が横たわっていた。黒木とその女は旧知の仲であった……。激動の時代を生き、明日を求めてあがいた男と女の物語を集めた、傑作劇画短編集!
あらすじ
1945年(昭和二十年)8月9日未明―― 北満州(現・中国)大陸の各地で、ソ連軍が国境を突破。怒涛のごとく日本軍と一般邦人に襲いかかった! その破竹の勢いに日本軍は雪崩のごとく崩れ去った。押し寄せるソ連軍の前面に残されたのは敗残兵と逃げ遅れた一般邦人だった。最後まで戦い続けた日本兵ももはや風前の灯。辛くも生き残った3人……大山上等兵、小島二等兵、軍場軍曹は方位を突破しようとするもソ連軍の捕虜となってしまう。シベリア送りの鉄道に乗せられた3人は、脱走のチャンスを伺うが……!? リアル活劇巨編!
あらすじ
戦争の犠牲になった多くの幼い命! 二度と繰り返したくないリアルな戦争を漫画で伝える北川玲子の作品群! ◆収録作品「グラウンド・ゼロ 広島」“私はあなたと親しくなりたくありません” 世界で初めて実戦で原子爆弾が投下された広島。被害者少女と米兵の交流を描く。「アウシュビッツ1945」ナチス・ドイツの恐怖支配のもとに作られたアウシュビッツ収容所。そこから奇跡的に生還した少年の悲痛の叫び。「小人の靴屋」多くの日本人が移民政策に夢を託して満州に渡ったという。しかしソ連軍の侵攻が始まり……。「かわいそうなゾウ」上野動物園のゾウ・トンキーは子供たちの明るい声に囲まれて平和に過ごしていた。しかし徐々に戦争の影が近づき……。「白旗の少年」地獄の沖縄戦の最中、少年の家族は次々と「戦争」に奪われていく。
あらすじ
「ヘタクソ」だけど「出たとこ勝負」の気風は、今でもわたしに引き継がれています――。多くの日本人が新天地を求めて満州(現在の中国北東部)に渡った、大正末期。芸者の置屋では、女将に引き取られた幼いふたりの少女がいた。芸妓として育てられる咲子、家事をこなす梅子、そして、のちに生まれた置屋の娘・初子――血のつながりのない三姉妹は、時代に翻弄されながらも三者三様に激動の時代を生き抜いていく。収録作品:第1話/第2話/第3話/第4話/第5話/第6話
あらすじ
満州で一旗あげようと中国にやって来た日本人一家が30世帯ほど集まるブロックに、茂少年は両親と共に住んでいた。中国人の子供たちと分け隔てなく一緒に遊ぶ茂だが、大人たちは…。一家で満州に渡り、数年後の敗戦で命からがら引き揚げ船に乗った、当時6歳の、著者・森田拳次の体験を土台に描かれた作品。
満州での生活などはちばてつやの「屋根うらの絵本かき」/「家路 1945-2003」/「ひねもすのたり日記」や「ボクの満州―漫画家たちの敗戦体験 」を読んでいたので、そんなに違和感なく読むことができた。
満州からの引き上げ話がメインではなく、終戦の少し前から終戦までの満州の生活がほとんどを占めていた。いろんなエピソードが体験者だからこそ書ける描写でよかった。
途中に登場した手品師がどうみても同じ中国から引き上げた漫画家「高井研一郎」だったのが一番印象に残った。
あらすじ
1957年~1962年にかけて「少女クラブ」(講談社刊)に連載された上田トシコの代表作。ハルピン一の大金持ちリュウタイ家で門番をしているワンには、フイチンという一人娘がいた。明るくまっすぐで、面倒見の良い性格のフイチンは使用人仲間にも愛されていた。ある日、靴磨きの手伝いをしているとき、立派な財布を拾う。落とし主からお礼を渡されるが「ひろっただけで、お礼をもらう理由がない」と断って……。「おやしきのご主人」「なんの話かしら」「ぼっちゃんのお相手」など8話を収録。
あらすじ
昭和三年、満州は奉天……。男は空を睨みながら奉天特務機関長の依頼を聞いていた。風雲急を告げる大陸で、日本刀と拳銃、そして爆弾を駆使して殺戮をほしいままにしている満州の殺し屋、若月退役中尉だ。満州国を世界の理想郷とすべく、大きな計画が動き出そうとしていた。そのために必要悪として、殺し屋の力がいるのだ……俺は……全ては大義理想のため、だれかがやらねばならないことをしているだけだ……。しかしその真実は、愛する女の命を救うためだったのだが!? 松森正の傑作劇画作品!
あらすじ
馬馬賊VS上海マフィアVS関東軍――全ての悪党共(ヴィランズ)が集う、超一大抗争勃発ッ!! 19XX年“満州国”――。馬賊である主人公・小豹は、襲撃した豪邸で謎の紙切れを入手する。それが幻の阿片密輸ルート【モルフェウス・ロード】に関わる暗号文書であるとも知らずに……。そして事態はモルフェウス・ロードの情報を探る関東軍諜報部と上海マフィア、小豹ら馬賊を巻き込んだ抗争に発展してゆく。ならず者達が奏でるアウトロー×歴史×バトルアクション開戦!!
あらすじ
1915年(大正4年)、長野県の養蚕農家に生まれた木沢玲子が残した3冊の手記をもとに描かれた、木沢家の数奇な満州からの引揚げの物語。1929年(昭和4年)に始まった世界恐慌の余波で、贅沢品である絹製品は買い控えられるようになり、養蚕農家は大打撃を被った。ことに養蚕農家が県下の80%を占める長野県の疲弊は深刻で、折しも国策として新天地「満州」への移民が奨励されていた。そんななか、玲子のもとに奇妙な縁談話が持ち掛けられるのだが……。筆舌に尽くし難い満州からの引揚げ体験を、同じ満州からの引揚げ経験を持つ漫画家・森田拳次が描く。