完結したマンガの感想・レビュー16048件<<505506507508509>>夏に読めてよかった平太郎に怖いものはない スケラッコ名無しタイトルのとおり、主人公の稲生平太郎には怖いものがない。くせ毛で愛想なし、お好み焼きの腕は一流の、少し変わった16歳の少年である。 とある出来事をきっかけに身の回りで怪異が起きはじめ、仕事や睡眠の邪魔をされるが、何をするでもなく平然とお好み焼き屋を営む毎日。 しかし、そんな平太郎の心を唯一ざわつかせる存在がいて、それが恋人?のゴンちゃんとゴンちゃんに一目惚れした長倉くんなのだけど、なぜこんなにも心がざわつくのか、平太郎には理解することが出来ない。 そして話が進むにつれて「怖いものはない」という軸が少しずつブレてゆき、このタイトルがあるからこその最高のラストを迎える。 たぶんひと夏の出来事を描いているので、夏に読むのがぴったりかと。あとめちゃくちゃお好み焼き食べたくなる。上手くハマったコミカライズ魍魎の匣 志水アキ 京極夏彦マウナケア本格小説のコミカライズはたいていがっかりさせられます。なので本作を読むにあたっては少々慎重になりました。なにせ京極夏彦の傑作が原作。どうなることやらと思っていましたが…意外とうまくはまりました。事故で重傷を負い治療中の少女が忽然と消えた。事件の背後に絡みつく憑き物を落とすため、京極堂こと中禅寺秋彦が重い腰を上げる…と、端折ればこんな話ですが、本来は相当入り組んだストーリー。これを、ひと目見ればわかる漫画の利点を生かして、うまくまとめています。また描写で感心したのが、探偵・榎木津礼二郎の容姿。原作では超のつく美男子で、いまひとつイメージしにくかったのですが、なるほど少女漫画的なアプローチだとしっくりくるなぁと目からうろこでした。さらに思い切りの良さにびっくりしたのが、全5巻の3巻で犯人をばらしてしまうこと。で、残りの2巻はまるまる憑きもの落とし。読者の興味を冷ますことなく、ちゃんと見せ場へ導いてしかも枚数かけている。単純な推理小説じゃないこと、わかっておりますな。奇跡の超クオリティでコミカライズされる、近世ファンタジーFairy gone フェアリー ゴーン 不二涼介 FiveFairyScholarsmampuku「進撃の巨人 LOST GIRLS」「ワールドエンドクルセイダーズ」の作者が、P.A.WORKSによるオリジナルアニメをコミカライズ。これほどの高クオリティなアニメ作品のコミカライズは、なかなかお目にかかれないです。 ジャンル的にはスタンド系の能力バトル。元がアニメなので、キャラデザ、ストーリー、世界観など、作品の基礎の部分がしっかりしているので、そこに不二先生の画力が加わって鬼に金棒って感じ。 最近はファンタジーの舞台といえば中世欧州(トールキン)かドラクエが主流ですけど、ぶっちゃけ、近世ヨーロッパ風が一番最高じゃないですか??? 「鋼の錬金術師」「進撃の巨人」「天空の城ラピュタ」「幼女戦記」「プリンセス・プリンシパル」「終末のイゼッタ」などなどなど 蒸気機関があって、銃撃戦があって、レトロな車や列車が走ってて、それら凌ぐ魔法の力で雑兵を蹴散らしたり強敵と決戦したり。中世なんかより100万倍ロマンがあると思います。これこそ読みたかった、由緒正しきセカイ系たった一人の君と七十億の死神 ツカサ 松永孝之mampukuそれ以外に説明の必要がないくらいセカイ系です。 「最終兵器彼女」や「イリヤの空、UFOの夏」などのかつての代表的なセカイ系作品と違い、主人公の少年は蚊帳の外で無力感に打ちひしがれるのではなく、自ら力を手にして戦います。少年漫画だからというのもあるでしょうが、個人的には「交響詩篇エウレカセブン」「ラーゼフォン」「ギルティクラウン」といったアニメ作品を連想する雰囲気を感じました。 逆にキャラ設定はどことなくラノベっぽさを覚えましたが、調べたら原作は『銃皇無尽のファフニール』の人とのことなので納得。作画の人はまだあまり実績がないようです。荒削り感はあるものの魅力的なキャラクターを描くので今後も応援していきたい作家さんです。 (2巻読了、3巻で完結だそうなので、この後買って読んで追記するかも) 野菜は全てを解決するにがくてあまい 小林ユミヲやむちゃ才色兼備なキャリアウーマンだが野菜を食べない女と、容姿端麗で料理上手でベジタリアンのゲイ。恋愛にはできない二人の同居生活が始まった。 「食」がテーマになっているのでどなたでもすんなり楽しめると思います。それぞれ過去の傷を掘り起こしながら、食とともに癒やされる。シリアスになりすぎずにのんびり読めます。面白少女漫画ブスに花束を。 作楽ロク名無しトミヤマユキコさんのマンバ通信で知ってからずっと読みたいと思っていたのですが最近やっと読みました! 最近の少女漫画ってこんなに面白いの!?と驚くレベルで面白かったです。恋愛にキュンとするより笑わせにきてるコメディ要素ガンガンでした。 が、しかし。男性が女心を理解するには少女漫画を読めっていう試みをたまに聞くのですが、その場合にはだいぶ役立つと思います。チーズの漫画チーズの時間 山口よしのぶ 花形怜マウナケア漫画TIMESってオヤジ漫画誌なのに、こんなキュートな絵柄の作品も連載しているからあなどれません。またテーマがラーメンや寿司じゃなくてチーズですよ。こんなオシャレ感全開でいいの?と思いましたが、なかなかの人情話になっていて、オヤジにもしっかり読ませてくれる王道漫画に仕上がっていました。主人公はフランス生まれの日本人・レミ。20歳でチーズ鑑評騎士(シュバリエ)の称号を受け、意を決して日本へ。その理由とは、日本でチーズの素晴らしさを広めるため、そしてまだ見ぬ祖父母を探すため…。その過程でさまざまな人との出会いがあり、そこにチーズが絡んでくる。うんちく漫画にはありがちな展開かもしれません。ですが、身近でありながら、日本人に知られていないことの多いチーズという素材を、うまく人生に結びつける構成はなかなかなもの。チーズの種類や歴史の説明もさっぱりしていて嫌味もなし。知識もつきますから、BARでのネタにしているオヤジもいるかもしれませんね。 武士道は死に狂いなりシグルイ 南條範夫 山口貴由名無し「武士道は死に狂いなり」は“武士道”の代名詞ともいえる「葉隠」に書かれた言葉です。『シグルイ』という作品のタイトルは、もちろん、ここからとられたものです。ストーリーは御前試合で盲目の剣士・伊良子清玄と隻腕の剣士・藤木源之助が対峙するところから始まり、そこから彼らの因縁に遡っていきます。もともろ『シグルイ』は、直木賞作家・南條範夫の『駿河城御前試合』という連作短編集の一編「無明逆流れ」をコミカライズした作品。残酷もののブームを作ったといわれる南條範夫の原作も凄惨ですが『シグルイ』も相当に凄惨です。そこら中で内臓の花が咲きます。「封建社会の完成形は 少数のサディストと多数のマゾヒストによって構成されるのだ」このセリフに表されている通り、登場人物達の多くは、自分の能力の如何に関わらず身分という枠の中でしか動くことができません。枠の中でしか動けない人々は、自身の行動を合理化していく過程でマゾヒストになっていくのです。その結果、主君の常軌を逸した命令でさえ、家臣は顔色一つ変えず、平静な心のままに実行していくのです。主人公の一人・藤木源之助もそのタイプで、自分の範疇から一歩もでることなく、許された唯一つの事――剣術を鬼気迫る勢いで極めていきます。逆に伊良子清玄は、類まれな才能を使って、どこまでも上に向かおうという野心がある、封建社会のはぐれ者です。この二人は互いに互いを殺そうと思っています。ただその殺意がどのようなものであるのか、言葉で言い表すことのできない複雑な感情を『シグルイ』では15巻にわたって描かれていきます。 『覚悟のススメ』や『悟空道』など、山口貴由さんのそれまでの作品はド迫力の絵とその上に大きな文字がバンバンと置かれるという描写が多かったと思います。『シグルイ』でも、初めはそのような目立たせる演出が多いのですが、段々とそのような描写はなくなり、セリフ自体も減っていきます。その結果、より研ぎ澄まされた言葉と静謐な描写は、人々の内面にこもった狂気をこれでもかと醸し出し、作品全体に不穏な空気を漂わせていきます。私が特に好きなシーンは、3巻の終わり「この日 生まれ出でた 怪物は二匹」「いや 三……」というところ。文字だけでみればなんてことはないセリフですが、ここにいたる構成が素晴らしすぎるのです。研ぎ澄まされたこの2つのセリフが、この後どのような意味を持つのか…。続きは是非よんでみてください。『鬼殺の流』ネームが素晴らしい鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録 吾峠呼世晴名無し『過狩り狩り』が鬼滅の前身かと思ってたけど、それより後に更に鬼滅寄りにしたやつが『鬼殺の流』。 ここまで描けてたら連載なんて余裕では?と思うくらい面白いので、ジャンプ編集部って本当にシビア。鬼滅が一作目なのに何でこんなによくできてるのか不思議だったけど、ここに来るまでに相当な苦労(2年くらい)があったみたい。 結果的に世界観の深みも広がりも出たので良かったなぁと思いつつ、漫画家を辞める可能性もあったことを考えるとぞっとする。ハードな伝奇アクション!鬼切丸 楠桂マウナケア大橋薫の双子の妹・楠桂。姉とは違い「サンデー」系での活躍が印象深く、その中でも代表作といえばこの作品。鬼の屍から生まれた純血の鬼が鬼を斬れば人間になれると信じ、唯一鬼を斬ることのできる刀・鬼切丸を手に人の世にはびこる鬼を斬るまくる、ハードな伝奇アクションです。描かれた当時は小説でも漫画でも伝奇作品が流行っていたころで、骨太な作品が多い中、女性漫画家の少年誌連載作品ということで気に入って読んでいたと記憶しています。鬼に憑かれた人間の救いのない結末、人間になるため鬼が同族の鬼を斬る終わらない矛盾。これらをうまく使って哀しい人間ドラマを作る、女性ならではの目線が当時印象的でした。『八神くんの家庭の事情』をはじめ、コメディーも得意とする著者ですが、私としては伝奇的な作品のほうが好み。漫画家としての本質も絶対こっち側にある、という想いもこめてこの作品を推したいです。 なんて身も蓋もないタイトルなんだw死のゲーム 外薗昌也 pikomaromampukuSAOよろしくVR空間に閉じ込められ、デスゲームをさせられる漫画です。タイトルと表紙のB級感が凄いものの、外薗昌也の名前と、このテの作品に珍しく1巻でちゃんと完結しているので手に取りました。 うーん、雑w モンスターが視覚ではなく音を追って攻撃してくるという設定も雑ならモブの死に様も雑。何よりあまりになげやりなラストにちょっと深くにもフフッとさせられました。 「一見サイコなようでただの考えなしのバカ」という主人公のキャラクターや清楚ビッチなヒロインは個性的でいいと思います。絵も掃いて捨てるほどあるしょうもないデスゲーム漫画の中ではかなりいい方。 総合的に、まぁ悪くないC級ホラー漫画でした白だ黒だが簡単にはハッキリしない、というリアリティ感白暮のクロニクル ゆうきまさみ名無し分類をするなら探偵物とかミステリーになるか? 特殊能力を有する主人公のディテクティブ・ストーリー と言うべきか? だがそれだけにとどまらず、少々SF的な設定だが、 SFとしてもミステリーとしても ホラーだとかサスペンスだとかとしても 命とか人生を問う作品としても、とても良作だと思う。 主人公が有する特殊能力は「ほぼ不老不死」 息長(オキナガ)という殆ど不老不死の人間が、 1000人に1人くらいの割合で存在し、 世間もタテマエ的には認知し行政も仕組みを整えており、 一般人とオキナガがちゃんと共棲している、 とされている現代日本が舞台。 しかし現実にはマイノリティな存在のオキナガは 色々と差別・迫害を受けている。 厚労省の新人・伏木(身長180cm近い女性)は 行政側の人間としてオキナガと関わることになる。 オキナガにはほぼ不老不死と言うこと以外にも特徴があって ・オキナガとして「成り上がった」時点で容姿その他? の成長が止まる ・日光を長時間浴びると死に至る ・食欲や性欲レベルで喫血嗜好が沸くこともある その他にも色々と特殊な面があるオキナガだが、 伏木が担当したオキナガ・雪村カイはさらに特殊だった。 見た目は18歳前後の少年。実年齢は88歳の雪村。 彼は、12年ごと70年以上に渡って羊年の年末に 繰り返されている連続殺人事件「羊殺し」の 真犯人を執拗に探していた。 伏木は巻き込まれる形で雪村と行動を共にすることになり、 「羊殺し」に関わっていくことに。 模倣犯罪やタテマエや現実や、行政の施策と効果のギャップ、 そして不老不死の人間達がそれゆえに直面し、 抱えこみ、蓄積していかざるを得ない社会的現実。 雪村と行動を共にすることでそれらを実体験しながら、 羊殺しの真相とともに思いもよらなかった世界を 伏木は知ることになる。 新しい形のヒーローベイビーステップ 勝木光名無しよく、犬に追いかけられます。犬は僕をみると何故か興奮し、どこまでも追いかけてくるのです(マルチーズに追われたこともある)。集団でいても僕を狙い撃ちするので、おそらく弱いものが直感的にわかるのでしょう。しかし、犬はどんな基準で僕を“弱い”と判断しているのでしょうか。たしかに一対一なら全く歯が立ちませんが、助けを呼んだり、道具をつかえば互角になれないこともない。要は創意工夫が大事なのです。 『ベイビーステップ』の主人公・丸尾栄一郎は、自分と相手の特性を把握し、着実な一歩を重ねることで勝つという、新しい形のヒーローです。 丸尾栄一郎は、小学校から成績はオールA。周囲の人間からはエーちゃんと呼ばれています。クソ真面目で完璧主義で学業優秀ですが、それは性分であって、まだ将来の目標を見つけられていませんでした。そんな、こなすだけの日々を変えたのがテニス(+ヒロイン・鷹崎ナツ。すげー可愛い)との出会い。テニスの面白さに夢中になった栄一郎は、数々のライバルを打ち破り、やがてプロの道を選ぼうと考えていきます……。スポーツ漫画の王道とも言える展開ですが、ほかのスポーツ漫画にはない特徴があります。 一つはとにかく理詰めで進められる漫画だということ。スポーツ漫画ですから、努力を重ねたりもしますが、その努力は常に理屈を必要とします。なんのためかもわからない、ムダな山ごもりはしません。 もう一つは、栄一郎の武器が、恵まれた身体でも特化した技術でもないことです。遅くにテニスを始めた栄一郎は、技術も体力もライバルたちに比べて劣っています。「派手な武器はひとつもないが 穴という穴もない」そんな特色のない地味な栄一郎と、華やかなライバルのギャップを埋めるのは、観察し、考え、挑戦する、という力です。 ゲームの結果を常にノートに書き込み、どのような流れになっているか、相手が好む傾向はなにかを確認します。そして、勝つために自分に足りないものは何か、それを覆すために挑戦すべきことは何かを考えるのです。今の段階で勝機が見つからないなら、状況を変えるための挑戦をする。的確な観察、考察、挑戦の繰り返しが、効率よくエーちゃんを成長させていくのです。 こんな地味にスゴイ主人公のエーちゃんと、スポーツ漫画の主人公タイプの井手義明との対決(15~16巻)は非常に盛り上がります。井手は、エーちゃんとの対戦に遅刻しますが、その理由も交通事故にあった少年を助けたものという。その少年と勝利の約束もしているという、スポーツ漫画の黄金パターンです。勢いのある井手に対して、自分のペースを守ろうとするエーちゃんですが、徐々に試合場全体が井手応援の空気になっていきます。そんな逆境のなか、エーちゃんは空気に呑まれないメンタルの作り方を考えはじめるのですが…。スポーツにおけるメンタルについての非常に重視しているのも、この漫画の特長だと思います。 自分の目標を見据え、自分と相手の能力を確かめ、今できる最善策を選び続ける――。大事なのは“意志”であるということが描かれる『ベイビーステップ』は、普段、何に悩んでいるかもわからないで鬱屈としている時に、きっと新しい道を指し示してくれるはずです。 青春の1ページとしての瑞々しい三角関係10th 伊鳴優子sogor25中学のころから喘息持ちで学校も休みがちだったタケと、昔から彼の世話をよくしていた幼馴染の梅子。その2人がおんなじ人を好きになってしまった、という少し変則的な三角関係の物語。 あらすじからも分かる通り、片方が男の子どうしという三角関係。でもこの作品は作品全体の視点が引き気味に設定されてて、恋愛模様も描きつつそれを高校生活の青春の1ページのようなタッチで描いている。なので3人以外の登場人物にもスポットが当たるし、1巻を通して読むとむしろ群像劇のような印象すら受ける。 ストレートな恋愛関係の中に同性間の恋愛を交えると、エンディングがどういう形であれその過程でどうしても同性間の恋愛を"歪なもの"として描きがちなんだけど、この作品は群像劇的な描き方も相まってその"歪さ"を全く感じさせない、とても爽やかな読後感を与える作品になっている。この爽やかな雰囲気を保ったまま、三角関係がどう展開していくのかが凄く楽しみ。 1巻まで読了。死んだ気になれば生きることぐらいはなんとかなるまだ、生きてる… 本宮ひろ志マウナケアリストラされたサラリーマンの末路を描く、本宮ひろ志作品にしては珍しい内容の作品。職を失くし、家族には捨てられ、生きる希望をもてなくなった岡田憲三。失意のまま首を吊ろうと山に入るが失敗、そこでなにかふっきれてしまいサバイバル生活へ、というやけくそになった男の人生が描かれます。人の世話にならず、ただ食って生きていく、そう決めた男は強いです。明らかに眼つきも変わり、イノシシと格闘し怪我をしても医者の世話にならず、小屋も立て畑まで開墾してしまうってんですから。そんな生活をしながらも、決して文明や人間性否定という方向にいかない、というのも”ただ生きる”という意味で妙にリアル。火をつけるのにはライターを使うし、捕まえたイノシシを殺さなかったり、と単なる破天荒なサバイバルおやじになっていないのがいいです。で、私は思いましたね。人間、開き直ることって大切なんだな、と。死んだ気になれば生きることぐらいはなんとかなると。後ろ向きなタイトルだと思いましたが、年の瀬のアントニオ猪木の言葉と同じぐらい、その内容に勇気づけられました。いまや漫画を読めば賢くなるという時代へドラゴン桜 三田紀房マウナケア私が小学生のころは「漫画なんか読んでるとバカになる」と親に怒られていました。ところがそれを否定したのが当時の担任の先生。ストーリーを作るという事は、絵を描くという事は、ということを理路整然と語ってくれたものです。それから月日は流れました。そんな技術論について持ち出すまでもなく、いまや漫画を読めば賢くなるという時代になったようです。その最たるものがこの作品。なんたって「東大は簡単だ!!」と表紙に書いてあるもんね。落ちこぼれだらけの高校から、東大合格者100人!ってところはいかにも漫画チックですが、そのテクニックは、なるほど理にかなっている。実は簡単な問題が多い古典や漢文で点を稼げ、だとか、効率的に記憶できるから、記憶問題は寝る前にやれ、とか。高校生の時にこんな漫画があったら、といまさらながら思います。もし受験生がここを見ているなら、ラストスパートをかける前に読んでおくといいですよ。 ナオが可愛い友食い教室 柑橘ゆすら 沢瀬ゆうnemuke物語とゲーム内容は「王様ゲーム」とほぼ同じかな? ・一つのクラスが選ばれる ・生死をかけたゲームで失敗や違反は死亡 ・フラグや伏線は早めに回収 「あーあいつものパターンかあ」と思っていたが・・・ これに出てくるナオという女の子がマジで可愛い!! もともと長い髪で雰囲気も最初は嫌味な女だと思っていたけど、途中でショートになったり。 実はめちゃくちゃ女の子だったりと、トニカク可愛い! 主人公が「ナオに会いたい」という台詞があるが、前後の出来事を考えれば大体の人が共感できるとおもう! あ、ちなみナオと主人公の××シーンもあるけど、なんだか優しい雰囲気でいやらしさがなくて最高だった!!一癖あるSなメガネのショコラティエショコラティエはサディスティック 花形怜 松本救助名無しゴラクの新連載作品! ほどほどに性格が悪いメガネが、チョコレートで人の心を楽にする話。主人公のキャラが程よい性格の悪さでいい。あくまで接客業だけど性格悪い、そんなバランスをうまく保ってる。 チョコレートの専門知識もしっかりしてるのも好感が持てる。これからも期待~今読んでもドラベース ドラえもん超野球(スーパーベースボール)外伝 むぎわらしんたろう大トロ大人になった今読んでも面白い漫画です。 でもひみつ道具がたくさん出てくるので野球のルールは覚えられませんでした。 人気ドラマのコミカライズ!おっさんずラブ 山中梅鉢 TVドラマ「おっさんずラブ」(制作:テレビ朝日 脚本:徳尾浩司) 徳尾浩司名無し人気ドラマのコミカライズなので、絵柄は可愛くストーリーもキャッチー。 出版社さんも力を入れているという感じがする。 しかし後輩の写真を隠し撮りする部長はちょっと不気味というか、完全にストーカーで、ドラマを見ていない人にとっては普通にキツいと思われそう……?あなたへ 再読してください。金色のガッシュ!! 完全版 雷句誠早起きし太朗ガッシュ、うえきの法則、メルヘヴン、史上最強の弟子ケンイチ、犬夜叉。 サンデーにバトル漫画がとにかく多くて、毎週わくわくしていた。当時の中学生(今の社会人のあなたへ) 社会人1年目や、2年目の方。 社会の仕組みに苦しんでませんか? そんな時、自己啓発本を読むのも、自分を勇気づけるポエムを読むのも、明日の知識にと新聞を読む。そんな時間もいいけれど、見ず知らずの誰かの勝利を祈ってた当時の気持ちに戻らせてくれるバトル漫画。 主題歌のカサブタを聴きながら、再読してみてください。 きっと、当時の自分がそばにいてくれますよ。怖くて後味悪い話だけじゃない闇金ウシジマくん 真鍋昌平hysysk裏社会を描いた、救いのない話ばっかりかと思ってたけど、そうじゃなかった。だからこんなに支持されてるんだな。 最近読み始めたのでまだ全部読み終えてない。「サラリーマンくん」の完結と「タクシードライバーくん」の12巻が凄くて、ここまで読んできて良かったなと思えた。 続きが気になって単行本ちょっとずつ買い足す感じが闇金借りる感じに似てて(?)スリルがある。 辛口のエロが笑いや涙を心地よく洗い流す酒は辛口肴は下ネタ みさき速名無し辛口の酒は美味い。 甘口でも美味い酒はあるが、 料理に合わせるなら辛口のほうが良い。 塩気のある肴もホロ苦い肴も、 甘い肴でさえ、旨味を膨らませてくれる。 口に含んで感じる肴の味を、適度に洗い流すことで、 その奥に秘めていた味に気づかせてくれることもある。 主人公・太郎は東京の下町で居酒屋「男道」を 1人できりもりしている。 実は京都の由緒正しい老舗料亭の息子で 料理の技術・知識・感性は超一流。 しかし性格的には堅物すぎて、店は女人禁制。 美味しい酒と肴を静かに味わう店を目指している。 そこに小学生の妹・花七が京都から押しかけてくる。 花七は由緒正しい家の娘ゆえの天然で本物の色魔。 堅物すぎる兄様に「色も欲なら食も欲」と 人間としても料理人としても、そして男としても 「一皮むけた」人間になってもらおうと奮闘し始める。 通常のグルメ漫画、とくに酒絡みの漫画ならば 美味しい酒と美味しい肴の組み合わせの素晴らしさを 描くのが普通だ。 四季折々の食材を素材の味が引き立つように組み合わせて調理し、 そこに日本各地の銘酒をあわせて、酒と肴の双方の味が より引き立ち膨らむとかの話を描くのがスタンダード。 しかしこの漫画で料理や肴、そして人情の機微を より引き出し、より味あわせて見せてくれるのは 辛口の銘酒ではない。 エロだ。 大吟醸の純米酒とか、久保田や春鹿、瀬祭ではない。 ロリ、巨乳、独身大家、さらに女王様からヒキニートまで。 よくもまあここまでというくらいの各種のエロが、 怒涛の如く押し寄せてくるが、それが通り過ぎた後に残る 人情の味が、意外なほどに味わいがある。 実は漫画全体としてはサービス・カット的にエロい絵もあるが、 それほどにドロドロした展開や絵はない。 ワリとスッキリとした辛口のエロだと思う。 また、登場する料理自体も、和食中心の本格的な料理が多い。 安酒と適当なツマミとかの悪酔いを誘う組み合わせではない。 ちょっと禁断の味に踏み込んだ、 わりとスッキリした辛口のエロと、 美味しそうな肴が味わえて、 後口にはチョット良い人情の味が残る、 そういう美味しい組み合わせの漫画だと思う。 まあ、下ネタが苦手な人にはダメだろうけれど(笑)。 最高に興味深い駄作呪魔の奪衣婆 杉原那月 日向名無し※ネタバレを含むクチコミです。<<505506507508509>>
タイトルのとおり、主人公の稲生平太郎には怖いものがない。くせ毛で愛想なし、お好み焼きの腕は一流の、少し変わった16歳の少年である。 とある出来事をきっかけに身の回りで怪異が起きはじめ、仕事や睡眠の邪魔をされるが、何をするでもなく平然とお好み焼き屋を営む毎日。 しかし、そんな平太郎の心を唯一ざわつかせる存在がいて、それが恋人?のゴンちゃんとゴンちゃんに一目惚れした長倉くんなのだけど、なぜこんなにも心がざわつくのか、平太郎には理解することが出来ない。 そして話が進むにつれて「怖いものはない」という軸が少しずつブレてゆき、このタイトルがあるからこその最高のラストを迎える。 たぶんひと夏の出来事を描いているので、夏に読むのがぴったりかと。あとめちゃくちゃお好み焼き食べたくなる。