完結したマンガの感想・レビュー16060件<<452453454455456>>圧倒的な構成力とキャラ造形による暴力的な面白さ7SEEDS 田村由美TKD@マンガの虫田村先生の作品はこれが初めてでしたが、まさかここまでのものとは思っていませんでした。 前半はミステリーとサバイバルそして王道の少女漫画構造で読者を引き込み、中盤に差し掛かるあたりで少女漫画で扱うには非常に重いテーマを絵の力とネーム力でギリギリ少女でも読める形に踏みとどまりながらストーリーを進行させていきます。 そして、終盤に差し掛かるあたりの富士号編と佐渡島編はこれまでの因縁、伏線を全て回収しながら人が集まって社会を形成するという問題について非常にフレッシュな若者らしい回答をキャラクター自身が出していく過程はキャラクターが本当に人間になっていくようです。 そして3.11問題とのリンクは偶然だとしても何か神の見えざる手が介入したとしか思えません。そういった時系列を意識して読むと感動も一層増します。 田村先生とキャラクターたちが苦しみながら出した回答はこれからを生きる我々にとってとても大事なものになると思います。なんでこんなに名作なのか彼氏彼女の事情 津田雅美オムライスやたら周りにおすすめされたので読んでみた。雪野の完璧超人が見栄によるもの…というよくありそうな設定の先駆者だから有名なのかと思っていました。テンポ良く進む話と努力シーンがちゃんと描写されていて思わず雪野を応援したくなる。世代的にはマーマレード・ボーイなのかなぁ。面白かったです。温泉施設でのだめカンタービレ 二ノ宮知子オムライス温泉施設に置いてあって久々に読むかぁと思ったらとまらなくなりました。千秋先輩がイケメンすぎる。母すぎる、、、のだめのドラマも見たくなりました。主に笑いですが真面目に音楽も有り、涙ありではらはらもします。面白すぎる。可愛さとシュールさのバランスが絶妙織田シナモン信長 目黒川うな名無しいわゆる歴史上の人物の現代転生ものは数多くあれど、有名なあの人やこの人が可愛らしい犬に転生して、現世で犬生を謳歌しているという発想からくすっと笑えますし、だただ癒されます。 歴史上の出来事が小ネタで挟まれますが、死闘を繰り広げたかの武将達もあくまで昔の出来事として捉えているので平和そのもの。いい歳をしたおっさん目線で自分達をネタにした娯楽作品にツッコミを入れたり、かと思えば逆らえない犬の性分に振り回されもしたり、何もかもがほのぼのとしているので、歴史好きと小動物好きにはたまりません。 ギャル女子高生アニメを作る!空色動画 片山ユキヲあうしぃ@カワイイマンガ突然ですが、『映像研には手を出すな!(以下、映像研)』面白いですね。女子高生達が制約を乗り越え、プロよりもはるかに自由に製作していく。そして想像した世界が現実に侵食してくるのが、とても楽しい! ★★★★★ 『映像研』を読んで、過去のアニメ自主制作漫画を幾つか思い出したのですが、一番に思い出したのは、片山ユキヲ先生の『空色動画』でした。 まず主人公が女子高生三人組なこと。 ギャルが集まる女子校で、一人パラパラ漫画を描いていたヤスキチは、人が苦手な性格は浅草氏っぽいけれど、動画スキル的には水崎氏。 彼女を見つけ出したのは、帰国子女でクラスの人気者・ジョンと、パンクバンドのベーシストで絵が上手いノンタ。 ヤスキチにアニメを教わりながら、ジョンがクラスのギャル達を巻き込み、文化祭でアニメ上映!その盛り上がりと疾走感が、たまらない! ★★★★★ そしてもう一つ『映像研』を想起させるのは、「現実をアニメが侵食する」点。 三人のアニメは、それぞれが描いた自分のキャラで進行します。絵が下手なジョンのキャラは、正直酷い……。しかしそんなキャラもヤスキチにかかれば、アニメキャラとして見事動くのです。そしてジョンが筋書きを語る時、三人はアニメキャラに変換され、現実の中を疾走します。自由な発想がアニメとして、現実を突破する時の気持ち良さ! タッチの違うキャラが一つの画面で動く面白さは、キャラクタービジネスに寄りかかる商業アニメを乗り超える、語義通りの「アニメーション」の快感を教えてくれます。 この作品の監修者は、抽象から商業まで、独特な活動で知られるアニメーション作家・黒坂圭太先生。それ故か、「漫画絵」のアニメを超えて、映像、スライド、走馬灯と様々なアニメ表現の可能性が紹介されます。 そして文化祭後、グラフィティ芸術至上集団と、壁画アニメで対決!圧倒的な画力の相手に、三人はどこまで戦えるか……。 ★★★★★ とここまで『空色動画』と『映像研』の共通点を挙げてきましたが、両作品を隔てているのは「文化」でしょうか。 SF的世界観を濃厚に描き、オタク層に強烈にアピールする『映像研』に対して、『空色動画』は(絵柄がノンタの西海岸系パンクの文脈はあるものの)何らかの文化背景に縛られている感じはしません。そういう点で、オタク的文化に馴染めない層に、受け入れられやすいかも。 SFでもなく、萌えでもない、アニメーションの楽しさを純粋に読みたい人には、『空色動画』はオススメなのです! (まあ私は、SFも萌えも好きですけどねっ!)さんかく窓の外側は夜 8さんかく窓の外側は夜 ヤマシタトモコじゃこいまさらながら気づいたけどこのシリーズの表紙、めちゃくちゃ気持ち悪いな。 もちろん褒めてます。 本編の背筋が寒くなる不快感を現実世界にまで侵食させてきている、物凄く凝られた表紙の意です。 物理本の触り心地の話なのですが、 まず表面が普通のツルツルの箇所とマット加工されているサラサラの箇所があるんですけども、ただこれを触るぶんには面白い触り心地だなとしか今までは思っていなかったんです。 だけど最新刊を読んでて気づいたんです。 表紙のフチ、折り返しの部分にも毛羽立つようなザラザラとした触り心地の加工がされてるんですよね。 なのでマンガを読んでる時にこのフチの部分が親指に当たって絶妙に不快感があるんです。 さらに表紙に触れている他の指の感触もツルツルであったりサラサラであったりと指ごとにチグハグなんですよ。 これがほんとにもう絶妙に気持ちが悪い。 見知ったものを触っているはずなのに、 何か得体の知れないものを触っている感覚。 それが本編の読み味とリンクして最高に気持ち悪い。いや、キモチイイ。 窓の向こうを覗き見してるつもりだったのにいつの間にかこちら側にきている。 これだから紙の本はやめられないんですよね。マガジンらしい奇をてらった作品神様はラケットを振らない 志田ゆうすけ 丸山りん名無しこういうの飽きたよマガジンさん。 絶対に期待を裏切らない『出会い』のオムニバス連載その時の彼女が今の妻です 音井れこ丸名無しわかってるんだけど!オチはわかってるんだけど面白い!! 本編に描かれていない空白の部分に想像力を掻き立てられる、新しいかたちの連載だと思いました。 男女のなんてことない、または特殊な出会い話のオチとして、タイトルのような「その時の彼女(彼)が今の妻(夫)です」という文言はよくあるパターンですね。それをマンガにしちゃった。しかも数組のお話が読めてお得感あります。 若林さんという女の子が2回出てきたのが気になりました(同一人物?しかしそうなると話がややこしくなる…)。最高すぎる彼女、ゆきかの知りたくない過去彼女と彼氏の明るい未来 谷口菜津子名無し※ネタバレを含むクチコミです。思春期の恋愛の真理が…ゆびさきミルクティー 宮野ともちか野愛思春期の恋愛の真理がぜんぶ詰まっている。 相手を愛おしく思うような、大切に思うような、そんな恋愛なんて最初からできる訳がない。 自分の中にある理想像を誰かに押し付けて、こうであってほしい、こうやって愛してほしいという傲慢さを振りかざすような恋愛。性欲と憧憬と独占欲が入り混じってどろどろした薄暗い恋愛。 大人になんかなりたくないと思っていたけれど、大人になると楽になる部分もある。 由紀をクズだと笑えないし、左ちゃんも水面もそんな男やめなよなんて言えない。 みんな切実で愚かで一生懸命で愛おしい。 ラストシーンは賛否両論を呼んだようですが、わたしはとても好きです。どうしようもなくて美しい台詞だと思う。 大人になんかならないで。 大食いisスポーツ。…喰いしん坊! 土山しげる野愛大食いisスポーツ。 作品の中でも大食いをスポーツにするのだ!という描写があるが、まさにスポーツだしめちゃくちゃスポ根漫画。 食材を冒瀆する巨大な敵を倒すべく、美味しくたくさん食べて倒す姿に感動…はしないけど、スポーツ漫画的カタルシスはじゅうぶんに得られる。 とにかく、食材を美味しく食べることを大事にしている主人公・満太郎に好感が持てる! …ホットドッグのパンを水に浸して食べて世界をとったフードファイターが実際にいたけども、あの食べ方は満太郎的には無しなんですかね。 大人のこじらせ心理模様サプリ おかざき真里aico大人のちょいこじらせ恋愛模様がおもしろい。ピュアな青春ものにはない、複雑な各々の心理状況が読み応えあります! そして絵が綺麗で好き!ジャンプ王道漫画!!!べるぜバブ モノクロ版 田村隆平名無しジャンプらしい、王道漫画!! バトルシーンもあり、ギャグシーンもあり。 序盤に出てきたキャラが終盤まで活躍するなど、 長期的にみている読者に対しても読みやすい漫画。 バトルシーンに関しては比較的シリアスなイメージだったものの、終盤ではギャグシーンに引っ張られすぎて バトルシーンまでギャグ要素に見えた部分が欠点。 一人一人のキャラクターがわかりやすく、かつ印象に残りやすい。 終盤に関しては引き延ばされている印象もあった。 生まれながらに確執を持った美少女と母親の物語イグアナの娘 萩尾望都名無し※ネタバレを含むクチコミです。10万人の女子が共感明日、私は誰かのカノジョ をのひなお名無しという帯文句に釣られて読みました。 うーん…共感はできなかった…あ、若い女子じゃないからか… レンタル彼女って流行りましたよね。まだあるのかな。 パーフェクトな彼女を演じる女の子の闇が深くて続きが気になる感じ。昔懐かしのゲームセンターゲームセンターあらし すがやみつる名無しその昔、ゲーセンで必殺技をマネしようする子供が続出したほど影響力のあった漫画。自分も格闘ゲームブームに育ち、一日中ゲームセンターの中でアーケードゲームをやって過ごしてきましたので、同世代にとっては懐かしさしかない漫画です。作中には日本中で一大ブームを巻き起こしたインベーダーなど、過去の名作が沢山でてきますので、昔のゲームの歴史に興味がある人にもおすすめです。 赤鬼と青鬼の兄弟が人間社会に潜む鬼死ね 岡田索雲さいろく見た目どう見ても普通の中高生の兄弟、実は赤鬼と青鬼の兄弟である。 鬼はほとんど赤鬼で、青鬼は低確率でしか生まれないのだそうだ。 赤鬼は人間からは嫌悪感を抱きやすいオーラを纏って見えるのだそうで、それを表現してるコマがあるのだが視界が全てゴキ○リで埋まっていて気持ち悪さを超越したヤバさが表されていた。ヤバい。 一方青鬼にはそれがないようでむしろ好感を持たれやすい。赤鬼くんは兄弟に嫉妬する日々だ。 もちろん彼らは鬼なので人間のように高いところから身を投げてみてもタンコブができるだけであった。 試してみる赤鬼くんの心境や如何に。 そんな二人のちょっと変わった日常…なのだが、設定はなんとなく「トーキョーエイリアンブラザーズ」を思い出させる。 いずれにせよ、現代社会にコッソリ潜む若い異世界人たちの葛藤を描く作品といった感じであるがどっちも好きである。うしじまくんみたいで…銀と金 福本伸行大トロうしじまくんみたいですがうしじまくんより好きです。 キャラクターに愛を感じます。音速丸あらわるニニンがシノブ伝 古賀亮一starstarstarstar_borderstar_borderさいろくシノブは主人公なのだろうけどこの漫画は音速丸様の漫画である。 アニメ化もされたらしい本作は「飼われてる鷹」として登場した音速丸という謎の生物を中心とした漫画であると言っても過言ではない。 アニメの方も気になるな https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://m.youtube.com/watch%3Fv%3D8VXtYazJYYM&ved=2ahUKEwjBrpDz28jnAhWGdXAKHcjnAXYQt9IBMAp6BAgOED0&usg=AOvVaw0kafe8zXWIsr5Z8hesd26M 音速丸さんは下ネタがすごいのですごいです、読むべし。 荒木飛呂彦の始まりバオー来訪者 荒木飛呂彦バルバルバルバルバオー来訪者、ジョジョの奇妙な冒険の作者荒木飛呂彦氏による2度目の連載作品である。 おもしろいかおもしろくないかで言ったら、あまりおもしろくない。 ストーリーもキャラクターもいまひとつだろう。ただし、荒木飛呂彦のファンとしては魅力的な作品である。 絵は前作魔少年ビーティーよりも肉体の描写が進化し、ストーリーもドラマティックになり、ジョジョを彷彿させる。漫画の描き方も良くなり、荒木飛呂彦氏の漫画家としての上昇を感じさせる。素直に荒木飛呂彦氏のセンス、やさしさなどの魅力を堪能できる。 少し古い漫画ではあるがぜひ読むことをオススメしたい。とても面白かった!気…いいね!光源氏くん えすとえむPom とても面白かった!気軽に読める楽しい作品でした。 普通のOL(沙織)の生活に、何故か平安時代からイケメン光源氏がやってくるお話。 彼等はSNS(インスタ、ツイッター、次はyou tuberの予感)も使いこなし、現代生活に馴染んでる。いや、楽しんでるのか。笑 また、哀愁に浸ったり感情を揺れ動かされると、その想いを短歌にする。 ふとした時に思い出し笑いしてしまうくらい、私は全てがツボにはまり、ツッコミどころ満載の休日おすすめ漫画だと思います。タタミちゃんファンでしたあさりちゃん 室山まゆみ名無し当方アラフォー女性ですが、小学生のときずっと読んでいました!連載は2014年まで、コミックスは全100巻出ていたとは驚きです。国民的少女ギャグ漫画といえるのではないでしょうか。主人公のあさりちゃんと姉のタタミちゃんは何かとケンカしているのですが、実はそんなに姉妹仲は悪くない、という女姉妹にありがちなエピソードが満載で、子供ながらに「あー、この感じわかる!」と共感していました。私は個人的に兄か姉が欲しかったので、秀才でお金持ち(小学生なのに貯金額数十万)、裏番長的な面もあるタタミちゃんに憧れていました(笑)。 表題作である「伊賀淫花忍法帳」はやばい...伊賀淫花忍法帳 石川賢starstarstarstarstarマンガトリツカレ男この単行本には「伊賀淫花忍法帳」「忍法清水港」「時元忍法帳」が収録されているが「伊賀淫花忍法帳」のインパクトが強すぎて他のが印象が薄くなってしまっている。 あらすじの通り幕府の忍者と山神家の壮絶な戦いがメインだが、この戦いがさすが石川賢としか言えない素晴らしい忍法の応酬になっていて全く先が読めない。 特に忍法暗黒洞はまじで正気とは思えない発想だし雲助にからまれた主人公である美女丸の瞳が渦を巻き始めてからの展開といいやばすぎる 忍法や戦いの詳細に書くと多分投稿規約などに引っかかりそうなのでここまでしか書けない... 昭和の「超ド級のお下劣ギャグ漫画」のノリが好きなら最高に楽しめると思うが、平成/令和の漫画に慣れた人にはおすすめはしない。 終わり方も含めて傑作といってはいいんではないでしょうか? 息が詰まる作品だった…幸せのひこうき雲 安達哲野愛息が詰まる作品だった。 閉ざされた田舎の、閉ざされた教室の、閉塞感が切実でこちらまで息が苦しくなる。 女教師の性的虐待を受ける男子小学生・丸籐の気持ちが語られないまま物語が進んでいく。とにもかくにも圧迫感と閉塞感が凄い。 何より凄いのがタイトルにもあるひこうき雲が描かれる場面。 ひこうき雲ってそういうことなの、それは、幸せのひこうき雲なの?幸せとは?と大混乱。 ラストシーンもとんでもない。救いがあるのかないのか読んでほしいし読んだ人が判断してほしい。<<452453454455456>>
田村先生の作品はこれが初めてでしたが、まさかここまでのものとは思っていませんでした。 前半はミステリーとサバイバルそして王道の少女漫画構造で読者を引き込み、中盤に差し掛かるあたりで少女漫画で扱うには非常に重いテーマを絵の力とネーム力でギリギリ少女でも読める形に踏みとどまりながらストーリーを進行させていきます。 そして、終盤に差し掛かるあたりの富士号編と佐渡島編はこれまでの因縁、伏線を全て回収しながら人が集まって社会を形成するという問題について非常にフレッシュな若者らしい回答をキャラクター自身が出していく過程はキャラクターが本当に人間になっていくようです。 そして3.11問題とのリンクは偶然だとしても何か神の見えざる手が介入したとしか思えません。そういった時系列を意識して読むと感動も一層増します。 田村先生とキャラクターたちが苦しみながら出した回答はこれからを生きる我々にとってとても大事なものになると思います。