ポラリスは消えない

歪んだ愛×夢×嘘から始まる異色アイドル系作品 #1巻応援 #マンバ読書会

ポラリスは消えない 嶋水えけ
カワセミ㌠
カワセミ㌠

グループ名:ポラリスに所属していたセンターの"但馬ソラ"が亡くなり崇拝していた彼女が人々の記憶から忘れさられていく事に疑問を覚えていた主人公の【橘ミズウミ】はそのアイドルになりますし人々に己の歪んだ愛や夢を世間に動画としてアピールする所から物語は始まりますが、今まで読んできたアイドル系作品のストーリーとは全く違い予想外のストーリー展開や異質なまでの主人公の行動の数々にただひたすら圧倒された作品だと強く実感しましたね そんな主人公や物語ですがそこに加え、物事や他人の感情には無関心で自身の人生に退屈し、とある変わった悪癖を持った同級生の【郡山レンジュ】の存在が作品の面白さに拍車をかけているのも大きな要因でしたね そのミズウミのなりますし動画や悪癖が原因で起こったアクシデントによりレンジュ自身もこの騒動に巻き込まれて行きますが彼の言動や心境等も中々に歪んでおりそんな似た者同士の二人が魅せて行くストーリーや読者や世間に対する問いかけや疑問に考えさせられた作品でもあり続きが気になり過ぎて仕方なかった作品で皆さんも是非一読してみてはいかがでしょうか?

どれが恋かがわからない

5股!どれも本気百合 #1巻応援

どれが恋かがわからない 奥たまむし
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

新女子大生が、入学初日に出会った5人の女性と次々に恋に落ちてしまう物語。そしていずれも両想い!という事で、第一話から大変さと甘さに脳をかき乱されたのですが……。 個性的な5人の女性が、主人公に惹かれるポイントは様々。声、手触り、匂いetc.フェチポイント多彩ですが、それぞれの性的惹かれが強く描かれて、恋というのが理屈じゃないんだなぁ、というのが分かります。 そう理由は無くても、恋は恋。 主人公・空池(そら行け!)メイは、5人の女性に同時に恋し、何なら付き合いたいと思ってしまう「人倫にもとる」状態なのですが、でも、恋が理屈じゃない、と知っている私にはそれも仕方ないことだと分かる。 色々制御できないメイは、どの人とも出会って二ページで恋に落ちる(少し誇張あり)。でも性的・恋愛的惹かれってそういうもんだよね?色々こねくり回した「恋に落ちる」表現より、この作品の"光速恋落ち"描写の方が私には腑に落ちるのです。 後半、学内でメイに群がる女性達。1巻にして大混戦!全員を好きすぎて絶対一人なんか選べないメイ、どうするんだよー!とソワソワして、いてもたってもいられなくなる感じ。 本当に 結末が わからない

まほらば

最後の見開き作画修正を!!!(個人の願望です)。

まほらば 小島あきら
サミアド
サミアド

同時期の作品『まぶらほ』とタイトルが似ていますが無関係。今は亡き『ガンガンWING』の看板作品。エニックスお家騒動でほとんどの作品が移籍・終了した時は この作品を中心に再始動しました。 連載終盤にはアニメ化。漫画とは違いが多いですが良い出来です。登場人物モチーフのタロットカード『まほタロ』も好評でした。 鳴滝荘に集う個性的な住人達のハートフルコメディで、唐突に4コマになったりしますがシュール&ユルいネタが作品に合っていて違和感はありません。 個人的には「白鳥隆子・爆誕!!」とか黒崎母娘とか黒魔術部長とかのコメディ路線が好きですが、登場人物が抱える問題や想いを適当に流さず描いた終盤のシリアス展開も好きです。 変わる事は怖いけれど皆が居たから前に進めた。良いハッピーエンドで最終巻の表紙も好きです。 ただ 最終回最後の見開きが残念クオリティ。作者さんは体調不良で休載が多く連載の数年後には余命宣告(今は多少回復)を受けています。大変だったと思いますしキチンと完結してくれた事に感謝もしていますが、せめて単行本では修正して欲しかった…。 登場人物は可愛いし 流星はジョニーだし 涙あり笑いあり、ほっこりコメディ好きの方にオススメの良い漫画です。

CYBORGじいちゃんG

自分にとっての小畑健はこれ

CYBORGじいちゃんG 小畑健
六文銭
六文銭

自分にとっての小畑健先生はこれなんですよね。 初めて読んだ時、ギャグの勢い(今読むと古き良き昭和のかほりがしますが・・・)絵柄の綺麗さもあってすごい好きでした。 その後『人形草紙あやつり左近』『ヒカルの碁』そして『DEATH NOTE』と、原作つきではじめてから、本作のようなギャグが薄くシリアス寄りで、ちょっと違和感を感じてました。 最初にみたものを親と思う、刷り込みのようなものです。(全然違う) 絵は相変わらずキレイなんですけどね。 ただ、今思うと、この美しい絵柄は濃厚なストーリー漫画のほうがマッチしますね。ギャグ漫画だともったいない感じがします。 何がもったいないかは、ちょっと筆舌に尽くしがたいのですが。 さて、その内容なんですが・・・これもタイトル通りです。 農家やっているおじいちゃんがサイボーグになって、家族を巻き込んでわちゃわちゃする話です。 サイボーグなんで、ミサイルだしたり、高速で動いたり、もうなんでもあり。 内容も、孫の授業参観いったり、銭湯いったりの日常っぽいものとか、同じく発明家のライバル社礼頭(しゃれこうべ)と対決したりとか基本1話完結形式。 子供ながらに、この勢いだけのギャグ展開好きでした。 今になって再度読み返すと、そこも、もちろんいいのですが、目につくのは若い女性キャラの妖艶さ。 小畑健先生の女性って妙に色っぽいですよね。 本作も、ふんだんに登場します。 1話だけ登場する女性キャラだけでなく、学校の先生とか、特に、ばぁちゃんの若い頃。(2巻表紙になってます) すごく良くて、これだけでも読む価値のある眼福だったりします。 89年連載なのに、絵柄に全く古臭さを感じない、才能をビシビシ感じさせてくれる初期作だと思います。 余談ですが、ヤングばーちゃんは、るろうに剣心の高荷恵のデザイン上のモチーフだそうです。(るろうに剣心4巻制作秘話より) ちょっと似ているかもしれない。。。

D・N・A2 ~何処かで失くしたあいつのアイツ~

懐かしの人生初「桂正和」作品

D・N・A2 ~何処かで失くしたあいつのアイツ~ 桂正和
六文銭
六文銭

当時学校で桂正和を読んでいるとエロいみたいな風潮があって、小学生でウブだった私は、ジャンプを買ってもこれだけは読まないように頑張っていました。 ページをめくってて本作がでてくると慌てて数ページ飛ばして違う作品に移動する。 テレビのエロシーンがでるとチャンネルを変えるようなものをイメージしてもらえれば、大体あってます。 ・・・今思うと意味不明な努力なのですが、最終的には、魅力に抗えずなんだか悪いことしているような背徳感を感じながら、影でこそこそ読んでいた思い出深い作品です。 「少年」ジャンプなのに結構際どい描写をしており、 さすが俺たちの桂正和!と神格化し、同時に、そこにしびれて憧れておりました。 さて本作の内容なのですが、タイムトラベル×SF×バトル×ラブコメといった属性で、自分としては初めてタイムトラベルものの味わい深さを実感した作品。 エロばかり強調してましたが、内容もしっかり面白いんです。 未来は、人口増加が問題で2人以上の子供をつくったら死刑になるほど深刻な状況。 そんな中、何人もの女性を虜にして1人で100人以上も子孫を残したプレイボーイのDNAをもった男がいたことが判明。 ただ、判明したときには彼はすでに死亡していた。 問題は100人以上いるという彼の子孫。 同じようにプレイボーイ気質であることは予想できたため、大元である男のもとにDNA操作をしに未来からやってきたという流れ。 その男が子供をつくるまえにDNAをいじって、プレイボーイじゃなくさせてしまおうって魂胆である。 そのプレイボーイのDNAをもった大元の男が主人公の桃生純太で、DNA操作をしに未来からやってきたのが、ヒロインの葵かりんである。 ちょっと運命入ったボーイミーツガールである。 ところが、現代の純太はプレイボーイどころか、もてない・さえない男で、かりんも不思議に思うが個人情報が対象と一致したことからDNA操作を実行する。 が、その際に使用した弾丸が実は誤ったもので、これが原因で逆に彼のプレイボーイのDNAを目覚めさせてしまったという展開。 つまり、プレイボーイをなおすために未来からやってきてDNA操作をしたから、プレイボーイができてしまったというタイムパラドックスが起きる。 基本路線はこんな感じで、プレイボーイの能力を使って女の子を虜にしたり、それが他の男の嫉妬を買ってすったもんだあったり、なぜかパワーアップ(超サイヤ人みたいになる)して、サイキック能力なんかも出てバトル展開がはじまったりと色々飽きさせない展開が続きます。 とまぁ、ここまでだったら普通の漫画なのですが、やはり桂正和は一味違います。 特に最終巻の怒涛の展開は、個人的に我が漫画史上で忘れられないほどの名シーンの連続です。 黒幕、つまりDNA操作で間違って撃ったと思ったのが、実はとある陰謀で罠にはめられただけという真実。 その陰謀とDNA操作の狙い、かりんと純太の本当の関係、そして最後、タイムトラベルにつきものの別れ・・・すべてがつながった時、えもいわれぬ感動が押し寄せます。 ネタバレになるので詳細は割愛しますが、全5巻と1日で読めると思いますので、ぜひ読んでいただきたい。 5巻だと打ち切りだったのかもしれませんが、自分はそんな風には感じず、むしろキレイに終わった作品だと思います。 逆に、人気がなかったのだとしたら隠れた名作だと言える作品です。

國我政宗の呪難

冷静な主人公が濃厚な設定で術バトル!

國我政宗の呪難 弓庭史路
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

まずシンプルな感想ですが、面白かったです!! 術者や妖魔、穢れというものが存在する80年代な日本っぽいところが舞台。 帝都大学防災研究所特異災害研究室技術職員の國我政宗のもとへある日、来訪者があり、とある大事件の助力を秘密裏に求めてきたが…。 https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496885813673 シンプルな感想とは裏腹に、重厚で詰まった世界観や設定で魅せてくれました。 正直こういうタイプの漫画が好きな人は、何か画面内でことが起きていなくても会話の内容でワクワクするはず。 読切でしたが、「この設定でこの先もっと読ませてくれよ!」と思ってしまいます。 才能や家系、力を持つ者はその力を行使しなければいけないような種類の哲学が受け付けず実家から離れる系主人公で冷めてる感じめちゃくちゃ好きです。 そして嫌々ながらも仕方なく力を貸す幼馴染みたいな腐れ縁的な存在。 ド派手な見開きもあるし、満足感高いです。 あえて言えば、読切のサイズ感じゃないかな、というところでしょうか。 料理番組でいうところの、冒頭で揃えた材料で料理作って番組終わるけど、材料余りまくってる感じ。 なんとなく、良い意味で『亜人』に影響受けてるのかな?と思いました。

将棋の渡辺くん

「渡辺明」の見方が変わった

将棋の渡辺くん 伊奈めぐみ
六文銭
六文銭

小生、将棋が好きで、少し前まで将棋ウォーズ(将棋アプリ)に入り浸り、ニコニコやアベマで将棋放送やればみていたよう人間なんです。 棋士の情報も、多少知見があるレベル。 おそらく将棋を知らない人にとって将棋=羽生さん、最近だと藤井聡太くらいなのかもしれませんが、この渡辺明という方もかなり有名、そしてすんごいだということを声を大にしていいたい。 私レベルのにわか知識でもいいたい。 (知っていればもういいです。) 最高位のタイトルホルダーなのも、もちろんそうなのですが、史上4人目の中学生棋士になったこと、初の永世竜王(竜王は名人と並ぶ将棋の二大タイトルで)当時の羽生さんに勝ち越していて「羽生キラー」とも言われたくらい強い。 羽生さんに勝ち越していることの何がスゴイのかというと、これはよく言われているやつなので 「羽生の凄さを表現しているコピペ」 とか検索してもらえればよいかと思いますが、10回くらい転生したような最強と誉れ高い羽生さんに勝ち越しているってのは強さのイチ指標だとご認識いただければ。 藤井聡太がくるまでは、羽生さんの一個下の世代以下では最強とまで言われているのが、この「渡辺明」なのです。 少なくとも私はそう思ってます。 そんな彼の漫画。 さて、ここまで熱弁奮っておいてなんですが、私、今まで読んでなかったのですね。こんな語るんだったら、もう何度も読んでいるんだろと、そう思われるかもしれないですが、実際は全く読んでこなかった。 その理由なんですが、実は・・・正直、当時から羽生さんのほうが好き(強さもさることながら人格面でも)な人間だったので、渡辺明には良い印象もってなかったのですよね。 1つには、羽生さんが最後までとれなかったのが永世竜王なのですが、それを防衛し続けていたのが彼だったからです。 何度もその挑戦をかけたタイトル戦をみていて、そのたびにヒリヒリして、羽生さんが負けたときはガッカリのほうが強く、反対に渡辺明になんとも言えない不快感を持っていたんですね。(すごい言いがかりですが) だから漫画が出ていたのは知っていたのですが、どうにも食指が動かず、今日まで過ごしました。 が、ちょっと将棋から離れて、熱が冷めたこともあり、ふとした瞬間に今回読んでみたら、もうーーーたまげました。 ドライで冷たく、たんたんとこなす機械のような人かと思っていたのですが、全然違う。 びっくらこいた。 びっくらポイントの例を挙げると ・19歳で結婚(奥様が漫画書いている) ・ぬいぐるみ好き ・漫画好き ・虫が嫌い 特に、ぬいぐるみが好きで、会話したり人形遊びをしている。 ・・・まじかよ。 その風貌から「魔太郎」とか呼ばれてたりもしてましたが、その印象と全然違かくて、良い意味でギャップ萌えしました。 作品内の、絵柄も可愛いから憎めないキャラとしてたってます。 (もっとも、作品内に、読者からの質問に本人が回答するコーナーがあるのですが、そこはキレキレで無駄がない淡白な感じも顕在です。) また、それだけでなく将棋に対する姿勢、情熱、また羽生さんに対する敬意の念(これは私が知らなかっただけで、随所でいってました) プロ中のプロ、一線級のプロはやはり格が違うなと改めて感じさせられました。 2022年4月現在もA級に位置し(いちど陥落してからの復活)、名人含む二冠で、通算タイトル獲得数も歴代4位。(現役棋士なら羽生さんに次ぐ2位) そんな、渡辺明氏の日常生活や価値観が垣間みえる稀有な作品として、将棋ファンはもとより、ちょっとでも将棋に興味がある人にもおすすめしたいです。 個人的には、上に羽生さん下に藤井聡太がいて、将棋界をこえた世間的な注目・評価がイマイチついてこない不遇な天才として(大きなお世話)、この本を通して応援したくなりました。 ホントにすごいんだよ、将棋の渡辺くんは。 余談ですが、藤井聡太も、渡辺明が対面した、現役ゴリゴリの羽生さんと戦ったらどうだったのかなとか考えちゃいますよね。