『肉奴隷の少女の復讐の炎、呪殺の願掛けに励む女の過去、我が子の首をはねた母の狂乱……。目を背けてはいけない。ここに描かれているのは人間の本性そのものなのだから……』昭和45年から青年劇画誌「ヤングコミック」で1年間連載された「怨獄紅」―――。上村一夫の初期の名作として名高い「怨獄紅」は人間の残酷な本性や情念、因業な罪深さを鋭く描き、その才能を世に知らしめた出世作でもある。同業者だけでなく編集者はもとより、映画監督、音楽アーティスト、小説家に至る様々なクリエイターに衝撃と感銘を与えた、非常に『毒濃度』の高い作品である。全25話の短編で成り立つ、この「怨獄紅」は過去単行本未収録であった4話分も含めて完全網羅された「完全版怨獄紅」として世に再び生まれ出た。時を経て蘇った最高傑作を堪能せよ!収録作「お綱の門」ほか「おかね餅」「お絹怨炎」「淫桃記」「おんな腹」「子堕しお香」「乱華抄」の全7話を収録。
かつて巨匠と呼ばれた天才絵師・伊藤驟雨へ写真師として出向く主人公。雪の降る夜をバックに伊藤驟雨の妻・お万の縄で縛られた淫らな姿を撮影する事になる。お万は身重の身でありながら、妖艶な色香を漂わせ、主人公を誘惑し始める。やがて彼女への劣情が募り、その身体に溺れてしまい……。収録作「絡縄」ほか「平安京」「ブルーフィルムの女」「青春日記」「竹馬物語」「隠恋慕」の全6話収録。
「美しかった夫が日一日と痩せてゆくのを見せ付けられた時、女体の中で情よりも業が芽生え、その芽は暗闇で音もなく背丈をのばし、今では嵐の大樹のように葉を唸らせている」夫の居ぬ間に公害汚染会社の交渉人と情事を交している妻。互いの身体を貪りあうような情事の裏には密かな想いがあった。その想いとは……。画狂人の哀しい運命、夜の世界で生きる男ホステス、金持ち未亡人と少年の性愛……様々な人生模様を華麗な絵で綴り、劇画家である以上に画家であることを証明した上村一夫の珠玉作品集。収録作「故郷は緑なりき」ほか「橋の下」「畸祭」「落城記」「屋根の上の金太」「美少年」の全6話を収録。
盲目の夫を持つおふくは伊勢屋の主人と夫の目の前で交わり、そのスリルと快楽を堪能していた。それをうすうすと感じていた夫・市、だが目の見えぬ彼には確認する術がない。そんなある日、伊勢屋のおかみさんから情事の誘惑を受け、強引に肌を重ねる事となる。「何か欲しいものがあるか?」と聞かれ、市は「目が見えるようになりたい」という。おかみさんは霊験あらたかな観音のことを市に教え、さっそく市は願掛けを行うのだが……。収録作「定ノ市」ほか「紅葉狩り」「夜明けのジュリー」「サーカス」「高信太郎」「童話」の全6話を収録。
また読みたい
フォロー
1巻を試し読み