本田鹿の子の本棚
違う世界に足を踏み入れてしまったような
本田鹿の子の本棚 佐藤将
ゆゆゆ
ゆゆゆ
本棚に秘められた宇宙。 文字列がビジュアル化すると、個性的な本たちの一群はカオスと化す。 最近、会話もなくなった娘の趣向をしろうと部屋に忍び入り、本を読む父。 タイムリミットは娘の帰宅時間。 大丈夫、父にはビジュアル化されるタイプの速読術がついている! 休日なのか平日なのかわからないけれど、娘より帰宅が早いタイプの父らしい。 ちょっと癖のある趣向を持つ娘の本棚が、父によって次々とビジュアライゼーション! というかたちで、突拍子もない一話完結型短編が次々と現れる。 いやほんとに突拍子もない設定&展開で、読んでいると自分がおかしいような気がしてくる。 『マチ姉さんの妄想アワー』もマチ姉さんの妄想ということで、突拍子もない昔話やおとぎ話が繰り出されていたけど、本作は舞台が世紀末からSFから恋愛モノから推理モノから色んな方向から小話がやってくる。 理解が追いつかず、99話の龍造寺先生よろしく、「っひゃっひゃっひゃ」と言う気持ちになる。 毎話毎話、発想力がすごい。 ちなみに私は、世紀末世界を舞台にした「93話」のトニオバギーの話が好きだ。