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菊田洋之の作品の感想・レビュー
2件
ドラマ化するので読んでみた。
らせんの迷宮ー遺伝子捜査ー 夏緑 菊田洋之
名無し
遺伝子は指紋を超える究極の個人情報と作中で言われるように、血液や体のどこでも一部残っていれば個人を特定することができる。 「遺伝子は嘘をつかない」をキーワードに、感情豊かなおじさん刑事・安堂と、医科大学で准教授を務めるDNAの専門家・神保のコンビによって過去の未解決事件の真実を次々に明らかにしていく。 1話完結でドラマ向けなストーリーと思う。遺伝子を増殖させるPCR法という非常にタイムリーな用語も出てくる。 個人的な好みで言わせてもらうと、神保准教授のキャラクターは一応「天才だけど変人」という設定でしたが読んだ印象としてはわりと普通の人です。 もっとアクの強い、こんな奴いねーよ!くらいのが欲しかった。
3馬鹿トリオこそ真の主人公
ガンバ! Fly high 菊田洋之 森末慎二
名無し
スポーツで汗を流す青春って妬ましいですね。僕が一人きりの部屋で不健康な汗をかいていたとき、グランドや体育館で健康的な汗をかいていた彼らは、きっと美人マネージャーと幸せな関係になっていったのでしょう。僕は2次元な彼女と不適切な関係になっていたというのに……。ああ妬ましい。今回紹介する『ガンバ! Fly high』も“スポーツ”と“ねたみ”というキーワードは欠かせません。「オリンピックで金メダルをとりたい」と、逆立ちもできない運動音痴の藤巻駿が飛び込んだのは、県最弱の平成学園体操部。そこには、一芸だけは秀でた三馬鹿トリオの先輩、内田、真田、東がいた。藤巻のひたむきな姿に3人も影響されて――。そんなプロローグから始まる『ガンバ~』の主人公・藤巻駿は典型的な少年漫画の主人公です。はじめはどんくさいけれど、眠った大きな才能をもち、努力を厭わない。あっと言う間に日本代表になり、世界初のオリジナル技を発明するまでになります。しかしこうなると、なんとも感情移入できなっなくなってしまいます。「努力とかいいながらも、結局“天才”の物語かよ」と。ああ妬ましい。しかし、『ガンバ~』はひとあじ違う。後半になると、完璧超人となった藤巻から、藤巻に追いこされてしまった3馬鹿トリオにフォーカスが移るのです。身近にいる天才・藤巻が世界の舞台で活躍するのをみて、感動しながらも焦りを感じた内田と真田は、自分なりの努力を重ねます。しかし、どうしても、どうしても、藤巻の背に追いつくことができない。藤巻に逆立ちを教えた内田は言います。 「俺はあいつに負けたくねえのよ! 体操の技術がどうとか得点がどうとかじゃなく、一生懸命ガンバるってことにおいて!」 決定的に実力の違う天才の背中を見ながらも、そんな気持ちをストレートに吐きだし踏ん張り続ける3馬鹿トリオこそ、読者が感情移入に足る、真の主人公だと思えてならないのです。これは、ひとつの【凡人萌え】マンガの極みと言えるではないでしょうか。そうジメジメした部屋の中で思うのです。
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