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尾瀬あきらの作品の感想・レビュー
6件
酒への情熱
夏子の酒 尾瀬あきら
名無し
日本の米作り・農業問題を取り上げた社会派漫画。 三倍増醸酒と純米酒をめぐり日本酒業界の問題点を露呈させた作品 作品中の幻の酒米を復活させるというのは実話らしい。 亀の尾というお酒を見つけたら、この漫画を読んだ後、見てみてください。
日本酒の世界
夏子の酒 尾瀬あきら
小暮
お酒自体好きではあったものの、独特の風味や匂いが合わず中々好きになれなかった日本酒。ですが、この作品を吟醸酒作りに人生を賭け取り組んでいる人達の熱い思いがあることを知りました。そして日本人でありながら日本酒に関する知識が無い事にも気付かされましたが、単に日本酒のうんちくを語るのではなく、主人公の佐伯夏子が出会う試練を通して教えられるので、嫌味がないので受け入れる事が出来ます。日本酒を飲んでみたくなる「夏子の酒」悪くないです。
お酒が飲めない人でも楽しめます
夏子の酒 尾瀬あきら
名無し
ドラマ化もされた今から20年以上も前の作品。日本酒造りの工程や酒蔵のしきたりなど、酒造りについて学べて面白いです。 夏子の酒の主人公の佐伯夏子は、東京で就職して働いていたのですが、実家の酒造で働いていた兄が亡くなってしまったことをきっかけに実家に戻ることから始まります。最初はお酒に対する知識も豊富ではないのですが、様々な出来事を通して経験を積み成長していくという姿が魅力的でした。 お酒について今まで知らなかったようなことを沢山知ることができますので、お酒について学びたいというような方にとっては役に立つはずです。 もちろん普段、あまりお酒を飲まない人でも十分楽しめる内容なので、たくさんの人にオススメしたい漫画です。 ちなみに「和久井映見」主演でドラマ化され私は再放送でドラマを見ましたが、原作との違いは少しありますがこちらも見て損はなかったです。あと「奈津の蔵」というタイトルで続編があるので、続きが読みたい人はそちらもぜひ。
岩登り漫画の元祖〜取り憑かれる子供達
オンサイト! 尾瀬あきら
あうしぃ@カワイイマンガ
オリンピックを目前にして、ボルダリング漫画が幾つか連載されているが、皆さんは、ボルダリングとフリークライミング、ごっちゃになっていないだろうか? まず、岩壁を登るものの総称として「ロッククライミング」がある。 ロッククライミングは、岩に器具を打ち込み、縄ばしごやロープを使って登る「人工登攀」と、最低限の安全確保のロープのみで、壁面に足場を見つけて身体能力で登る「フリークライミング」に分けられる。 フリークライミングの中でも、安全ロープすら使わず、3〜5メートルの低い壁を攻略するのが「ボルダリング」。10〜20メートルの高い壁を、安全ロープを持つ人と二人で挑む「ルートクライミング」より始めやすい。 (ルートクライミングの中でも難易度の高い種目が「リード」で、ボルダリング、リードに「スピード」を加えたのが、オリンピック競技のスポーツクライミング) 人工壁を登る大会の様子はTVで目にするが、あの選手達はしばしば、自然の岩壁にも挑戦する。決して安全ではない、人間を拒む険しい自然に、目を輝かせて挑戦してしまう彼らの初期衝動を描いたのが、この『オンサイト!』という作品だ。 ★★★★★ 増水した川から絶望した少女を助け出す為、少年は急な崖を、少女を背負って登る。命懸けの登攀に成功した少年は、その時から、岩登りに取り憑かれる。そして彼の背で、共に登った少女もまた……。 ★★★★★ 少年は二度、三度と同じ壁を登ろうとするが、上手くいかず、危険な目に遭う。自然の厳しさを知って尚、岩に惹かれる彼を、少女はフリークライミング講習に誘う。そこで面白さに嵌った二人は、のめり込んでいく。 体力では断然有利な少年だが、クライミングのセンスは少女の方が上で、互いは競うように日々、研鑽を積む。 彼らの前には両親の不和、在日韓国人の微妙な問題といった重苦しさが現れる。しかし彼らはそれを忘れるように、クライミングに打ち込む。その様は切ないのだが、面倒な人間のドラマに立ち向かうのではなく、逃げるように別の事に夢中になることで、彼らは却って人として成長する。特に生気のなかった少女の前向きな変貌は、見ていて楽しい。 弱々しい子供がある時、何かに魅入られ、そこから一つ一つ積み上げるうちに、いつの間にか大きな世界を見据えるようになる。そんな成長譚として、震える物語だ。 『のぼる小寺さん』の10年前、2005年のこの作品は、フリークライミングの全体像と、競技に魅入られる選手のマインドに触れられる感動作。最近の「ボルダリング女子漫画」の原点として、比較してみても面白いかもしれない。
成田闘争の話
ぼくの村の話 尾瀬あきら
マウナケア
頭ごなしにやっても、いい結果にはならないですね。普天間にしても八ツ場ダムにしても周りは振り回されるだけで、結局残ったのは自然の破壊とやりきれない気持ち。日本人は過去から学ぶことができないのでしょうか。本作では成田空港開港に伴う顛末、いわゆる「成田闘争」が描かれていますけど、これなんかは私が生まれたころの話ですから、ほんの40〜50年ほど前の出来事。空港が建設されることが決まり、長い年月をかけて開墾してきた土地を奪われることになった農民たちの必死の闘争が、限りなく実話に近い形で描かれていて、現代に生きる私でも身につまされます。どこかで聞いたような「決めたから従え」という暴挙の果て…。土地とは何か。国との対立や利権がらみの大人の葛藤など、複雑な環境で育つ子供はどんな夢を見るのか。時代背景も違うしスケールや立場も違うけれど、投げかけられるテーマは今でこそ考えるに値する意味を持っていると思います。
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